今回のマガジンは、当社が実際に行っている太陽光発電の点検のひとつ「整線作業」についてご紹介します。
太陽光発電は、たくさんのパネル(モジュール)が整然と並んでいるイメージがあると思います。このパネル同士がどうやって電気的に繋がっているか、知っていますか?
答えはパネルの裏側を見ると一目瞭然で、細い1本のケーブル(電線)によって繋がっています。(※ソーラーエッジのようにオプティマイザーがついているものを除く)
そして、このケーブルで複数のパネルを規定電圧になるように繋ぎ、ストリングを形成していきます。
さて、このケーブルですが、日光が直接当たらないパネルの裏にあるとはいえ、常に屋外にさらされているので、耐久性が気になるポイントです。経年劣化によるコネクタの故障、ケーブルの断線、そしてケーブルの配線が弛んでいないかなど、ケーブル周りも定期的にチェックする必要があります。
緩んでいるケーブル。ケーブルの中央にあるのがコネクタ。
上の写真の様に配線が緩んでしまうと、ケーブル同士を繋いでいるコネクタが風で煽られ、ブランコの様に動き、風が吹くたびにパネルの裏にぶつかり続けることになります。そのまま放置してしまうと最悪パネルを損傷(セルに目には見えないスネイルトレイルが発生)してしまい、発電量が落ちてしまう可能性があります。そうなる前に整線作業が必要です。
整線作業の様子
作業後はケーブルがピンと張ります
そもそも、なぜケーブルが緩むのかというと、原因の一つにカラスなどの鳥類の悪戯が大きな原因と考えられています。
この日もパネルの上にカラスの姿が。
カラスが悪戯で石をパネルに落としてパネルを破損させるという事例は、以前のマガジンでもご紹介しましたが、屋外に剝き出しになっている配線は、カラスが乗って遊んだり、くちばしで引っ張ったりするなど、格好の遊び道具となってしまいます。
特にカラスが多い地域に太陽光発電施設がある場合は、鳥害対策などを講じる必要があります。
太陽光発電はトラブルや故障が少ないことからメンテナンスフリーのイメージを持たれることの多い発電方法ですが、これまでのTYマガジンでもお伝えしてきた通り、長期間安心して使用し続けるためには、日頃からの点検や定期的なメンテナンスが非常に重要です。