太陽光発電設備をモニター監視していると、ある発電所で「パワーコンディショナー(以下 パワコン)が動作停止し、発電がストップしている」というアラートを検知。
(画像はイメージです)
早速、現場へ急行し原因を調査すると、パワコンや、パワコンを制御している周辺機器の故障ではなく、パワコンを収めている「パワコン室」に設置しているエアコンが動作していないことが判明しました。
太陽光パネルが発電している間、パワコンはたくさんの熱を発します。
そのため、パワコンが動作しているときの「パワコン室」は高温になりやすくなります。それを抑えているのがエアコンのため、今回の様にエアコンが故障してしまうと、パワコンが発した熱により、パワコンが動作できる可能温度を超えてしまい動作ストップしてしまいます。もちろんパワコンが停止してしまうと発電ができません。
今回は、エアコン本体の故障ではなく、室外機の故障というレアケースだったので、原因究明が難しい状況でした。
画像左がエアコン/右がパワコン
原因がエアコンの「室外機」と判明
室外機修理の様子
無事に修理が完了
パワコンの耐久性能はパワコンが置かれる環境によって大きく左右されるため、適切な温度管理による環境整備が発電効率の安定に直結します。そのためエアコンで温度・湿度を一定に保つことで、トラブル発生率を低減し、メンテナンスコストの抑制にもつながります。
また、「エアコンではなく換気扇を使って室内の熱を逃がせばいいのでは?」という声も聞こえてきそうですが、換気扇では室内に砂ぼこりが侵入し機器が故障するリスクがあるため、エアコンで温度管理をする方が間違いないです。
今回のようにパワコン自体の故障ではなく、エアコンによるトラブルもありますので、特に発電所が稼働して10年以上経っている発電事業者の方は、お気をつけください。