太陽光発電施設にとって、怖いもの…それは落雷被害です。
落雷被害は大きく分けて2種類あり、 1つは雷が直接当たる「直撃雷」。
そしてもう1つは、 近くに落ちた雷で発生した電圧が誘導電流を起こし、 周囲に影響を及ぼす「誘導雷」があります。
太陽光パネルは平らな形状なので、「直撃雷」の被害はほとんどありません。
落雷被害で影響を及ぼすのは、2つ目に紹介した「誘導雷」がほとんどです。
太陽光発電施設は、落雷によって主要部品が壊れてしまうと、発電が出来なくなったり、送電(売電)が出来なくなってしまいます。
発電施設の規模によっては、1日稼働していないだけで数十万円の損失になることもあるので、復旧作業は常に時間との戦いにもなります。
どの部品が壊れているか、すぐにわかれば復旧時間も短くて済みますが、部品のほとんどが動きのない電子部品なので、見ただけでは壊れているかどうかはわかりません。そのため復旧作業は知識と経験が物を言う作業になります。
そして先日。
ここ更別村で大きな落雷が発生しました。早朝のことでした。
弊社太陽光発電O&M事業部 監視チームから発電所に異常が発生しているとの連絡を受け、すぐに現場に急行。その後、お客様からも「発電していない」との連絡を受けることに。
現場に到着し早速、調査を開始。
発電自体は問題ないことが確認できたので、次は監視システムを確認していきます。たとえ発電に問題がないとしても、発電量をモニターする監視システムが故障している場合、今後の発電監視ができないことから異常を検知できず、大損害に繋がることもあります。まずは電気の通電を確認するテスターなどを使い、疑わしい部品から順にチェックしていきます。
さらに直接パソコンを繋ぎどこに原因があるかを探っていきます。部品が通電できていても、正しく動作しているとは限りません。そして、状況を整理していく中である部品に目を付けました。
この部品は、これまであまり壊れた事例がない部品でしたが、よく確認してみると、動作をしていないことがわかりました。こうして、原因はわかりましたが、まだ解決にはなりません。急いで部品の交換作業に移ります。この間も時間は刻一刻と過ぎていきます。
幸い、会社に予備の部品がありすぐに交換することができたので、お客様にとっても明日からの発電を心配しなくても良い状況にすることができました。
ここ北海道は、日本の中でも雷の発生が特に少ない地域です。データによると、昨年(2019年)は北海道だけで21,000回/年の落雷があったとされていますが、同じ年の関東甲信では、143,000回/年と、北海道の約7倍の落雷が発生しています(参考文献:フランクリン・ジャパン「雷ぶらり」)。
落雷のリスクにおいても、北海道は太陽光発電に向いているといっても過言ではありません。