札幌管区気象台は、2023年4月12~13日にかけて、北海道の各地で「黄砂」を確認したと発表。
帯広測候所によると、視程が一時10キロ未満となるなど、見通しが悪く交通にも影響が出る程でした。
車の上にしっかりと乗ってしまった「黄砂」
今回のTYマガジンは黄砂と太陽光発電についてお話したいと思います。
黄砂とは主に中国大陸やモンゴルから、風に乗って、日本や他の周辺地域に運ばれる微小な砂塵のことを指します。
この黄砂が太陽光パネルに堆積すると、パネルが受ける光の量が低下することになるので、パネルの発電効率が低下する可能性があります。
実際に状況を確認するために、まずは太陽光発電施設に向かいました。
現場に到着すると、遠目で見ても確認できるくらいパネルの上に黄砂が乗っている状況です。なお、この日の天候は概ね晴れ。
遠目から黄砂が乗っているのが確認できる
パネルの一部を指で擦ってみると一目瞭然
太陽光パネルにしっかりと黄砂が乗っていることを確認したので、次は本社に戻り、発電量モニターを確認してみます。
あれだけ黄砂で汚れているのだから、きっと発電量も大きく落ちているはず…
モニターで発電量を確認
発電量モニターを確認してみると、通常時よりは発電量が落ちていると想定できるものの、しっかりと発電できていることが判明しました。
さらに、最も黄砂の多かったであろう前日(3月13日/天候は曇り後晴れ)の発電量データを確認してみます。
13日の発電量データ
13日のデータを見ても発電自体は問題ありません。太陽光パネルを過積載している発電所のため、いつも通り太陽の出ている10時~13時の間はピークを超えて発電できておりオーバーした電力をカットしている状況でした。
このように今回の調査では、黄砂による発電への影響は当然あるものと想定できるが、発電自体がしなくなるとまではいかない...という結果になりました。
黄砂などの汚れが付いた場合、どうやって太陽光パネル綺麗にするか?というと、雨が降れば自然にパネルから流れ落ちることがほとんどです。(※北海道のような積雪地の場合、太陽光パネルの設置角度が急勾配であることによります)
また、パネルに適正な傾斜角度があれば、朝露で流れ落ちるとも言われています。朝露は水分を含んでおり、軽微な汚れやほこりを少し浸し、パネル表面を濡らすことができます。そして気温が上がり朝露が蒸発する際に汚れが浮き上がり、パネルの表面から除去されることがあります。
ですが「自然に落ちるなら大丈夫」と過信はせずに、定期的なメンテナンスと適切な清掃が、太陽光パネルの長期的な効率と寿命を確保するために重要となります。